仕事が終わったあとや、なんとなく疲れた日。
動画を見るほど元気はない。
ゲームをする気力もない。
SNSを見るのもちょっと疲れた。
でも、なぜかスマホは触っている。
そんなときに、何も考えず、ただぼーっと眺めていられるものがあったらいいなと思いました。
そこで作ったのが、海を眺めて過ごすWebアプリ「うみゆるむ。」です。
何かをクリアする必要もありません。
毎日続ける必要もありません。
海を眺めて、クラゲが流されているのを見たり、たまに現れる生き物に出会ったり。
疲れたときに、少しだけ気持ちをゆるめるための場所です。
きっかけは、海のクラゲだった
「そろそろ海にクラゲが出る時期だな」
最初のきっかけは、それくらいでした。
海でクラゲに刺されるのは怖い。
でも、水の中をふわふわ漂っているクラゲって、眺めているだけなら不思議と心地いい。
そこから、
疲れたとき、海の中にいるような気分でクラゲをぼーっと眺められたらよさそう。
と思うようになりました。
海そのものも、昔から眺めているだけで心地いいものです。
何かを考える必要もなく、波や水の動きを見ているだけ。
そんな時間をスマホの中にも作れないかな、というところから「うみゆるむ。」を作り始めました。
毎回同じだと飽きる。でも、情報が多いのも疲れる
海の映像を流しておくだけでも、たしかに癒されます。
ただ、自分の場合は毎回まったく同じものを眺めていると、少しずつ飽きてきます。
一方で、ゲームのように次々とイベントが起きたり、
「次はこれをしてください」
「今日のミッションを達成しましょう」
と求められるのも、疲れているときには少ししんどい。
だから「うみゆるむ。」では、
静かだけど、止まってはいない。
くらいのバランスを目指しました。
海の雰囲気は時間によって少しずつ変わります。
生き物がいるときもあれば、いないときもあります。
大きなイベントが起きるわけではないけれど、毎回ほんの少しだけ違う海です。
「今日は何と会えるかな」くらいの楽しみ
「うみゆるむ。」には、クラゲ以外の海の生き物も現れます。
ただし、アプリを開けば必ず出てくるわけではありません。
今日は何もいないかもしれないし、何かに出会えるかもしれない。
そのくらいにしています。
毎日ログインしてほしいわけでも、全部の生き物を集めてほしいわけでもありません。
ただ、
「今日は何と会えるかな」
くらいの小さな楽しみがあれば、またふらっと海を覗きに来る理由になるかなと思いました。
何かが起きることを期待しすぎない。
でも、まったく何も変わらないわけでもない。
そのくらいの距離感が、このアプリには合っている気がしています。
達成することは、何もない
「うみゆるむ。」にはスコアがありません。
ミッションもありません。
ランキングも、連続ログインボーナスもありません。
何かをコンプリートする必要もありません。
極端に言えば、達成感すらなくていいと思っています。
何もしないためのアプリだからです。
スマホを開くと、いろいろなものから行動を求められます。
次の動画を見る。
通知を確認する。
返信する。
記録する。
育てる。
達成する。
楽しいものもたくさんあるけれど、疲れている日は、それすらちょっと多い。
だから「うみゆるむ。」では、何も要求しないことを大切にしました。
開いて、眺めて、閉じる。
それだけで終わって大丈夫です。
ただ眺めるだけ。でも、少しだけ海には触れられる
完全に映像を眺めるだけではなく、ほんの少しだけ海に触れることもできます。
画面に触れると水流が生まれて、その流れにクラゲが乗って動きます。
クラゲを捕まえるわけでも、目的地まで運ぶわけでもありません。
ただ流されます。
作っている自分も、たまにクラゲを流して、
「あー、流されてるー」
と眺めています。笑
目的も正解もない。
でも、こちらが触ると海が少しだけ反応してくれる。
動画を眺めるだけとも、ゲームを操作するのとも違う、このくらいの触れ方がちょうどいいと思っています。
ぼーっと眺められる生き物を作るのは、意外と難しい
実際に作り始めてみると、海の生き物の見た目や動きを作るのは思った以上に難しいものでした。
特に苦労したのがクラゲです。
最初は見た目が少し頼りなかったり、動きが直線的すぎたりして、どうしても「クラゲが泳いでいる」というより「絵が動いている」ように見えてしまいました。
魚も同じです。
ただ画面の端から端へ移動させるだけでは、生き物らしく見えません。
ヒレを動かしたり、泳ぐ速度に変化をつけたり、少し揺らぎを入れたり。
ぼーっと眺められるものだからこそ、小さな違和感が意外と気になります。
とはいえ、本物の海洋生物を完全に再現したシミュレーターではありません。
海の生き物に詳しい人から見ると、
「いや、その動きは違うぞ」
というところもあるかもしれません。
そのあたりは少し大目に見てもらえたらうれしいです。笑
「うみゆるむ。」で大切にしているのは、正確な生態を再現することよりも、眺めていて心地いい海を作ることです。
寝る前の一息や、昼寝のお供にも
海には音もあります。
寝る前にホワイトノイズや海の音を流していると、なんとなく心地いい。
そんな感覚もあって、「うみゆるむ。」にはおやすみモードを用意しました。
寝る前の一息。
休日に少し昼寝をしたいとき。
なんとなく静かな音を流していたい夜。
そんなときにも使えます。
「よく眠れるようになる」といったことを言いたいわけではありません。
ただ、眠る前の時間にも置いておける海があったらいいな、というくらいです。
画面を見ずに、海の音だけ聞いていても大丈夫です。
「うみゆるむ。」という名前
名前の候補はいろいろ考えました。
最後に「うみゆるむ。」にした理由は、とてもシンプルです。
海で、少し緩んでほしい。
それだけです。
元気になってほしい、とも思っていません。
何か前向きになってほしいわけでもありません。
ただ少しだけ、力が抜ければいい。
そんな場所にしたかったので、「うみゆるむ。」という名前にしました。
現代にちょっと疲れたときのために
今は、何もしていないつもりでも、ずっと何かにさらされているような感覚があります。
仕事。
SNS。
通知。
動画。
ニュース。
広告。
気づけば、常に何かを見て、何かを考えています。
だからといって「デジタルデトックスをしましょう」と言いたいわけでもありません。
何もしないことの大切さを伝えたいわけでもありません。
ただ、そういうものから少し離れたいときに、
ふらっと入れて、何もしなくていい場所を置いておきたかった。
それが「うみゆるむ。」です。
何もしないって、心地いい
疲れたときに開いてください、と強く勧めるつもりもありません。
毎日使ってほしいとも思っていません。
ふと思い出したときに海を覗いて、
クラゲが流されているのを眺めたり、
今日は何がいるかな、と少し探してみたり、
海の音を聞きながらぼーっとしたり。
そして閉じたあとに、
「なんか、ぼーっとしたな。心地よかったな」
と思ってもらえたら、それで十分です。
何もしないって、けっこう心地いい。
「うみゆるむ。」は、そんな時間のために置いてある海です。

